ドイツというと何を一番に連想しますか?

ビール、 自動車、 サッカー?... 

クラシック音楽も忘れないでください。Bach, Beethoven, Brahms らは音楽史の中で 『ドイツの三大B』 と呼ばれますが、現在でもクラシックコンサートのプログラムではかなりの頻度でドイツの作品が演奏されます。ただBeethoven もBrahms もドイツ生まれなのですが...

 

上の写真は中西雅之さんとそのお仲間

  

  

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後に活動の地をウィーンに移し、二人ともウィーンで亡くなっていますのでオーストリア人だと勘違いされる事もあるようです。音楽史の上では 『オーストリア音楽』 という分類はなく、ドイツ語圏ということでこの二つの国が輩出した音楽家は 『ドイツ音楽』 に分類されています。ですのでモーツァルトやブルックナーはオーストリア生まれですが彼らの作品はドイツ音楽という位置づけをされているのです。


ドイツの国土面積は日本よりほんの少し小さく、人口は日本の約6割ですがオーケストラの数はドイツが1.5倍も多いのです。その中にはベルリン・フィルやバイエルン放送響など世界のトップ・クラスのオーケストラが多数ありますし、市民による自主経営のオーケストラとしては最古の歴史を持つライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラもドイツが世界に誇るオーケストラです。この事だけを見てもいかにドイツの音楽環境が充実しているのかが判ります。


日本のクラシック音楽環境と大きく違うのは何と言っても 『オペラ』 の存在でしょう。1997年に日本にも初めてオペラ専用の歌劇場である 『新国立劇場』 が出来ましたが、残念ながら専属のオーケストラや歌手はありません。一方でこちらではデュッセルドルフ近郊だけを見てもDusseldorf, Koeln, Bonn, Krefeld, Moenchengladbach, Essen, Wuppertal, Duisburg, Gelsenkirchen, Dortmund と周辺ほとんどの町でオペラを鑑賞する事ができるのでオペラ・ファンには最高の環境といえるでしょう。入場料も日本と比べると格安です。


今までオペラに馴染みのない方でもせっかくドイツで生活しているのですからこの機会に是非一度劇場に足を運んでみて下さい。オペラと言うと 『上演時間が長い』、『歌詞が分からないから退屈』 と敬遠されがちですが、中にはとっつきやすい作品もありますので演目を選んで行かれるときっと楽しんで頂けると思います。特にプッチーニやヴェルディなどのイタリア・オペラはメロディが美しく、ストーリーの展開もスピーディーでドラマチックですので初心者の方には特にお薦めです。

 

毎年年末になるとオペラの他にも 『白鳥の湖』 や 『くるみ割り人形』 などのバレエも多く上演され、この時には多くの子供たちも鑑賞に訪れるので、ご家族揃って劇場に出かけるのも良いと思います。その他にも本場ドイツでも大きな劇場でしか上演されないR・シュトラウスやワーグナーの作品も一聴の価値ありです。それから忘れてならないのは日本人音楽家の活躍です。先ほど紹介したデュッセルドルフ周辺のすべてのオーケストラに日本人が在籍しています。恐らくドイツ全土のほとんどのオーケストラで日本人が活躍していると思われます。

 

近年、野球やサッカーの選手が海外で活躍する姿をよく耳にしますが、日本人音楽家たちはそれよりも遥か以前から世界中で活躍しているのです。かのベルリン・フィルのコンサート・マイスターも二代続けて日本人だという事実は我々にとって大きな誇りです。(会場で日本人の観客を見かけると演奏者は本当に嬉しくなります。) 夏休みの期間中はオーケストラのオフ・シーズンになりますが、代わって各地で音楽祭が催されます。バイロイト音楽祭やシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭などは世界的にも有名です。


ヨーロッパの国々の中でも特に音楽環境に恵まれているドイツ。ドイツ生活をさらに楽しく、豊かにするためにも是非一度コンサートホールやオペラ劇場に足を運んでみて下さい。

 

文章提供: 27.06.12 中西 雅之

エッセン・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者