後藤 真起子 琴奏者

後藤 真起子 プロフィール

9歳より地歌系古典名取りである母より筝の手習いを受ける。12歳より、沢井筝曲院・沢井忠夫・沢井一恵に師事。3年間の内弟子を経て、1986年より、筝曲院より最初の海外派遣員としてハワイに渡り、沢井筝曲院ハワイ支部を設立、指導。その傍ら米国州立ハワイ大学・音楽部・民族音楽部で講師を勤め、私立ハワイ・ロア・カレッジでもKotoクラスを持ち、週、総勢60人の指導にあたる。


1992年より、オランダで本格的な演奏活動をスタート。ドイツを中心にヨーロッパの現代音楽世界で作曲家と独奏曲から筝コンチェルトまで、多くの新作コラボレーションに携わる。ケルン・ミュンヘン・パリラジオ放送局などのオーケストラと共演を重ね、イタリア・オーストラリア・オランダ放送局などの音楽祭にも多く携わる。


各地のアンサンブル、シアター、ダンスカンパニー、文化関係施設、大学、文化財団等からの招待を受ける。ベルリン、ミュンヘン、アムステルダム、パリ、ザルツブルク、ローマ、マドリッド等、ISCM World New Music Festival Wien Modern La Biennale di VeneziaInternational Ferienkurse für Neue Musik Darmstadt、東京サントリーホール夏の音楽祭など、多くの現代音楽祭で演奏。

細川俊夫、望月京、篠原眞の新作初演・再演に多く携わる。ペルー人作曲家Jimmy Lópezやドイツ人作曲Annette Schlünzによるコンチェルト新作コラボレーションに携わり、ミュンヘンラジオ交響楽団などと初演。2013年には、ラジオフランスの音楽プロジェクト番組で岸野末利加作品、独奏13弦・17弦とオーケストラの為の新作コラボレーションに携わりラジオフランスオーケストラと共演。石井真木やアメリカ人作曲家Neil McKay 筝コンチェルトの演奏にも携わる。


沢井一恵アンサンブルでは、1992年まで、Tone und Gegentone, Vienna; Bang on a Can, New York; Border Crossing, Toronto;  Moers New Jazz Festival, Germany; Kennedy Center, Washington D.C; Conservatory of Moscow; Theatre des Champs-Elysees and Theatre de la Ville, Paris.

等で演奏。


2013年より、日本、そしてハワイ、ヨーロッパでの筝曲家としての経験を活かし、ユニヴァーサルな範囲・可能性での日本古典楽器・筝と子供達の交流Sawai Universal子供文化交流会を企画主催。多くの協賛者と共に西洋音楽器・バレエ・幼児ムーブメントなどを筝曲と一環して開催する。現在、ヨーロッパを中心に精力的に演奏活動を行いながら、デュッセルドルフ・恵光寺院文化センター、ケルン天理文化工房内で指導にあたる。


沢井筝曲院ヨーロッパ(ケルン・デュッセルドルフ)研究室を2012年より設立。沢井筝曲院師範。

 

箏といっしょに人生を歩まれている後藤さんに、お話を伺いました。日本人と日本古典楽器について、そして現在新たな活動、子供文化交流会を主催されるまでを語って頂けました。

 

日本に住んでいてもピアノやヴァイオリン………西洋楽器を習うことが普通であたりまえに多いと思います。古典楽器は伝統文化を習う、という感覚が強いですね。日本を22歳で出て、まずハワイ・アメリカ、そしてオランダ・ヨーロッパ、異国文化の中で30年近く住んでおりますが、筝曲家として筝を弾いていることは日本人としての自分のアイデンティティーのように、日本人でいる自分を誇りに幸せに思わせてくれる伴侶のような、自然に何処にでも一緒に同行しているような感じです。

 

母国の楽器は、母国の国民性や文化を音を持って表します。当たり前に思っていたことが、こうして海外に出て音を出すことで再認識したり、ヨーロッパの人々から反響を受けて感想聞かされその特殊な価値観を認識・教わるのです。まず、西洋楽器のように競争もなければ比べられることも殆どなく、自由で、いつ何処でも日本の文化として歓迎され、この楽器の美しさと着物のコンビネーションでしたらなお更、日本女性の喜びに浸っているような時が殆どです。

 

国際間の痛みや過去の溝、将来への平和を祈る機会でも、認識や和解の場でも、自己の楽器を通して沢山携わってきました。そしてもちろん、楽器的にもいろいろな大変なこともあります。でも、どんなに大変なこともカバーされるような、貴重な文化交流に携わってきました。日本文化、日本古典文化って、すばらしいですね!日本人であること、こんなに幸せに思うって、皆さんも同じだと思います。ヨーロッパで日本文化を持って生き生きとしていること、貴重な人生の価値観だと思います。

筝という楽器を通していろいろな国や土地で様々な環境、土地で交流を楽しめた私は何よりこの楽器に感謝をしています。言葉の通じない子供達が、異文化の子供同士で自然に遊びあっている、音楽も楽器を通してそれがスムーズに、まして活発に出来るものです。其処から繋がったのが、Sawai Universal子供文化交流会です。


今年から、デュッセルドルフのお稽古場研究室の方々と一緒に企画し、沢山の素晴らしい音楽家やダンスの方々にも出会えることが出来まして、共同作業で始まりました。筝を軸に世界中の楽器や音楽・踊り・ちびっ子のお遊戯まで、一つの輪になってパフォーマンス・ワークショップを通して文化交流をし、それぞれの国の味交換でピクニックを楽しんだり、そして災害で被害を受けた子供さん達の為のチャリティーコンサートでは小さな力でも小さな音でも一緒になって力強く大きな志になり復興を祈りあう会です。

 

人生、筝を伴侶にしてきた筝曲家の私には、これからの世代の沢山の子供さん方が筝と一緒に遊んでくれる、この交流会は筝という楽器に幼児の頃から励まされお世話になってきた偉大な感謝の気持ちでもあります。又来年も、行いますので、是非ご参加ください!まだ歩けないお子さんから大人まで一緒に楽しめる会です。


インタビュー27.Jun.13 MN

 

琴レッスン 連絡先:  makiko.goto@planet.nl