布谷 史人 マリンバ奏者
Fumito Nunoya
ボストン・ヘラルド新聞において“機敏で活気がある、彼はものすごい才能を秘めている。”演奏家として賞賛され、2009年10月にイタリアで行われた「第三回リベルタンゴ国際音楽コンクール」のソロ部門において優勝を果たした。このコンクールはタンゴ界の巨匠アストル・ピアソラに関する音楽を主に扱ったコンクールで、日本人そしてマリンバ奏者として初めての快挙である。
2005年5月にはアメリカで行われたIma Hogg 若手音楽家のためのコンクールで1位を受賞し、同年の7月にはヒューストン交響楽団と3000人の聴衆を前にアメリカデビューを果たした。そのデビューコンサートでの演奏がヒューストン新聞にも取りあげられ「黒い衣装をまとった布谷史人は、人を磁石のようにひきつけ、離さなかった... 人々を魅了し、巨大なピアノのように横たわった楽器は、彼の手にかかれば容易く演奏されているかのよう... 布谷氏の洗練された細かな音への気配りは、感銘を与えた。」と絶賛された。
またマリンバ界の登竜門とされる2002年ドイツで行われた第3回世界マリンバコンクールにおいて3位、2003年テキサス州で行われたThe National Young Artist Competitionにおいて管打楽器部門1位・全部門特別賞、同年11月にアメリカで行われたPercussive Arts Society国際マリンバコンクールにおいて2位、2007年に行われたJoyce Dutka Arts Foundation音楽コンクールにおいて審査員特別賞を受賞し、その他にも様々な国内・国際コンクールにおいても上位入賞を果たしてきた。
日本でも第13回大曲新人音楽祭コンクール、第10回クラシック音楽コンクールにおいてそれぞれ最高位(1位無しの2位)を受賞した他、1999年の日本演奏連盟新人演奏会のオーディションに合格し、2000年には仙台フィルハーモニー管弦楽団とのデビューも果たした。
これまでに、アメリカ、日本、ヨーロッパと様々な地域で演奏活動を繰り広げている。アメリカで行われた「ZMF ゼルツマン・マリンバ・フェスティバル」、「バークリー音楽院打楽器フェスティバル」、「マジック・マリンバ・フェスティバル」、「南カリフォルニア打楽器アンサンブル・フェスティバル」、フランスで行われた国際的打楽器フェスティバル「Journees de la Percussion」、ドイツのデトモルト音楽院で行われた「Marimba Days」、日本で行われた「中部打楽器フェスティバル」「関西打楽器フェスティバル」などの打楽器フェスティバルに招かれ、ソロ演奏やマスタークラスを行っている。
ソロイストとしても、ヒューストン交響楽団、ボストン音楽院オーケストラ、Di Pepercussioアンサンブル、Bartholdy-Ensemble Rheinfelden、東方コネチカット交響楽団、アトリオン室内オーケストラ、仙台フィルハーモニー管弦楽団などと共演した。
2005年8月に、初のCD「赤とんぼ」を出版し、そのCDはPercussive Arts SocietyのPASマガジン、そしてフロリダ支部の新聞に取り上げられ、「不朽のCDである。」、「芸術的に作り上げられた音楽の、最もハイ・レべルな例の一つ」と絶賛された。また、打楽器奏者Nebojsa
Zivkovic氏、アメリカとイタリアを拠点に活動している作曲家Arthur Levering氏、アメリカの作曲家David Gains氏、Albert Chan監督の映画「Fate Scores」のレコーディングに参加した。
秋田県大館市に生まれ、山形大学教育学部総合教育課程音楽文化コースを経て、2003年にボストン音楽院より奨学金を受けながら、同音楽院の修士課程マリンバ・パフォーマンス科を修了。その後、同音楽院創立以来の初めてのアーティスト・ディプロマ科のマリンバ専攻生として、学費全額免除の奨学金のほか、学長からも特別賞与を授与し、研鑽を積み、2006年に卒業。これまでにマリンバ・打楽器を、ナンシー・ゼルツマン、パトリック・ホーレンベルク、岡田知之、三村奈々恵の各氏に師事した。また、音楽の知識を広めるため、マリンバをピアノ奏者であるDr. カール・ポーニャック、岡崎悦子、武田紀代美の各氏にも師事した。
現在はこおろぎ社専属アーティストとして活動し、2009年5月には、布谷氏のデザインしたマリンバ・マレットがこおろぎ社より発売された。2009年10月から2010年の2月まで、ドイツ国立デトモルト音楽大学(Hochschule fur Musik Detmold)のマリンバの客員教授として招かれ、2010年10月からは同校のマリンバ講師として指導に当たり、2012年の10月から12月までオランダのArtEZ芸術大学Zwolle校でマリンバの客員講師として後進の指導にあたった。
オフィシャルウェブサイト www.FumitoNunoya.com