坂口 双葉 バイオリニスト

Futaba Sakaguchi

東京芸術大学音楽学部音楽高校、同大学器楽科卒業。2006年、ドイツ・ヴュルツブルグ音楽大学大学院、マイスタークラス卒業。ヴュルツブルグ音楽大学に てDAAD(ドイツ学術交流会)より奨学金を授与。2004年、第6回アンドレア・ポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクール(イタリア・フェルモ)第3 位(1位なし)受賞。2005年、同大学ヴァイオリンコンクール第1位受賞、バイエルン州主催のリサイタルにて演奏、メニューイン音楽財団にて演奏活動を 行う。

 

2005年1月から半年間アカデミー生、2005年8月より、ドイツ・ライン・オペラの専属であるデュッセルドルフ交響楽団・第1ヴァイオリン奏者 として在籍。現在に至る。またデュッセルドルフにて室内楽にも取り組み、日本でピアノとのデュオコンサートも行っている。これまでに、富川和子、吉川朝 子、沼田園子、塚原るり子、ゲルハルト・ボッセ、松原勝也、ヘルヴィック・ツァックの各氏に師事。

東京生まれ。父親の仕事の関係で生後半年から4歳半までアメリカで過ごす。母親の友人に紹介されて、6才の時に鈴木メソッドの才能教育にてヴァイオリンを 始める。バイオリンと同時に、ピアノと水泳を始めるものの、手が小さいためにピアノは10歳になるまでおあずけとなる。特技は水泳で、特に素もぐり。中学 三年の時に、受験のことで母親と相談した時に音楽の道に進むことを決断。高校受験の当時、ヴァイオリンのサイズはまだ7/8。

 

芸大在学中、元ライプツィッヒの管弦楽団コンサートマスターで今年亡くなったドイツ人(旧東独)、ボッセ氏に出会ったことがきっかけで渡独すること になる。当時ボッセ氏は1年間の客員として芸大に来ていた。既に80歳前後の高齢の彼のレッスンと教えにカルチャーショックを受ける。


2003年、東京での都会の生活から、ヴュルツブルグというのどかなドイツの街の、そのさらに街のはずれの誘惑も何もないアパートでの生活を始めて練習に 励む。目の前の風景、世界がそれまでと何もかも違い、自分と向き合う時間が十分過ぎるくらいあり、それが心地よくてドイツの暗い冬も、暗い半地下の部屋で の生活にもめげずに越冬する。

 

1年間の留学生活が終われば帰国する予定でいたものが、ドイツで実際に生活をしてみて初めて分かったドイツと日本との大きな違いによる2度目のカル チャーショックで、デュッセルドルフのオーケストラのアカデミー生のオーデイションを受けることになり、さらにそのオーディションに合格したことが、今の 人生を決めることになった。