岩渕 みずき サックス奏者

Mizuki Iwabuchi

長野県松本市出身。12歳よりサクソフォンをはじめる。国立音楽大学卒業。これまでにサクソフォンを原博巳、下地啓二、滝上典彦、Daniel Gauthierの各氏に、室内楽を雲井雅人、滝上典彦、Robert Kulekの各氏に師事。同大学在学時より、演奏、企画、指導において幅広い活躍を展開している。2010年にJonathan Helton氏のマスタークラス、Frederick Hemke氏によるレッスンを受講。



20116月、ソリストとして東京国際芸術協会管弦楽団とGlazunovの「アルトサクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲」を共演。同年10月には長野・あづみ野コンサートホールにおいて自身の企画による「くにたちサクソフォンアンサンブル」演奏会を開催。20123月「はやぶさ四重奏団」のメンバーとして岐阜・飛騨芸術堂においてレコーディング、翌月4月に東京・ルーテル市ヶ谷ホールにおいてデビューリサイタルを開催、いずれも好評を博した。その後5月に渡独、現在はケルン音楽大学修士課程に在学中。

 

 

サックスを始める前の音楽経験は、小学校の金管バンドでのトランペットしかなかった。しかもがつく下手くそで、10分以上吹くと口が青くなった。「楽器なんか二度とやるか」と心に決めて、中学校へ入学。しかし何かの策略で強制的に吹奏楽部へ入部させられる。「何の楽器がいいか」と訊かれ、前日の日曜日にTVで見たイケメンタレント武○真治を思い出し「じゃあサックスで…」と言ったのがきっかけで、この楽器をはじめることとなる。

 



ろくでもない音楽経験しかなかったのと不器用な性格のお陰で、楽譜が全く読めず、楽器を始めて数ヶ月経っても音の出し方を忘れる、更に本番には緊張のしすぎて1つも音が出ない(本当にうんともすんとも言わなかった…)、など上達の進歩が見えず、顧問に本気で心配される。だがそれでは悔しいので、登校途中や授業中、帰宅後も密かに自ら特訓を続ける。

 

するとある時からめきめき楽器が上達し、顧問や部員たちを見返すことに成功。この頃から、将来音楽の道に進もうと意識し始める。その後、当時吹奏楽の強豪校であった松本美須々ヶ丘高校へ入学。一寸の迷いもなく吹奏楽部へ入部。すると当部は長野県下で初の全日本吹奏楽コンクール3年連続出場を果たし、1年生ながらも運良くスタメンに選ばれる。だが華の吹奏楽部生活も束の間、当時の顧問に音楽の世界の厳しさを教えられ現実を知り、ショックで1週間の間、食べ物が喉を通らなくなる。

 

この顧問の先生は様々な演奏機会のたびに、こっそり私を呼び出し、本物の音楽というものを諭した。特に印象に残っている言葉は、「『サックス奏者』でなく『音楽家』になれ」。これは今でも自身のモットーになっている。部活動と勉強の両立は高校三年間突き通し卒業、大学受験時に肝心の楽譜を忘れるというまさかのありえない失態を犯すが、無事国立音楽大学演奏学科に合格、そして入学。

 



 

入学したての頃は、管打楽器専攻生伝統の「3号館ルール」という運動部張りの厳しさに若干付いていけず、授業にこそ行くものの、それ以外は自身の練習室に籠 りひたすら練習していた。3号館(=弦管打楽器棟)から一時期行方を眩ましていたが、そのうち雰囲気にも慣れ、少しずつ顔を出すようになる。他学生にも 徐々に存在を確認してもらうようになり、友達も増えていく。何より練習している時間は長かったので、楽器は上手くなった。同級生の間では寧ろ、幽霊サックス専攻生として知られていた。

 

国立音大在学中は、恩師のもとのびのびと音楽を勉強し、のびのびと成長。大学の外での活動ではみっちり絞られ、社会の厳しさを再確認。あ ることがきっかけで作曲科教授の山口博史氏と知り合い、同氏とその奥様から様々な演奏機会と出会いを与えられ、経験を積み、レパートリーを増やす。この頃 フランス音楽研究会(略してフラン研)というサークルに知らないうちに入会させられていることが発覚し、そこでも持ち前の幽霊ぶりを発揮し、手作りのお菓 子を誰かが持ってくるときだけ顔を出した。フラン研には同年代の作曲科の学生達が多く在籍し、親交を深め、やがて彼らの作品を演奏する機会が増えていっ た。

 

大学最後の夏、恩師にあたる方から「カルテットを一緒にやらないか」との誘いを受ける。何故よりにもよって自分なのか不思議だったが、翌年留学する旨を理解してもらった上で、承諾。「はやぶさ四重奏団」が結成される。そこでは自分が一番年下で、一番上のメンバーとの年齢差は20歳 以上ある世にも珍しいカルテットであった。何より小手先の技術では決して埋まることのない他メンバーとの経験の差に圧倒され、苦戦し、多岐にわたる様々な 迷惑をかけながらも、半年間に及ぶ準備期間を経て人生初のレコーディングとリサイタルの開催を経験。演奏会の規模の大きさと盛況ぶりに我ながら驚くが、長い準備期間のお陰で緊張もなく無事終了。 

 

20125月、ドイツの地に足を踏み入れ、現在に至る。

ブログサイト: http://sax-m.cocolog-nifty.com/blog/

 

はやぶさ四重奏団



2011年、各々の活動から賛同と啓発をしあえる仲間として、世代を超えて集まり結成。世代の違いによって厳格かつ親密な音楽が創出される。同属楽器の壁を乗り越えて、色彩豊かに極めて充実した音塊を生み出す。それぞれが個性を失うことなく、一音一音に凝縮された音楽のエッセンスは聴き手を魅了する。

 

「はやぶさ」とは小惑星探査機はやぶさに由来する。数々の困難を乗り越え、奇跡的に帰還したその健気で一途な姿に感銘を受けたことから名付けられた。

 

 

メンバー

 

滝上典彦 Takiue Norihiko ~Soprano Saxophone

岐阜県出身。国立音楽大学院修了し新人演奏会に出演。 同大学オーケストラ定期演奏会にソリストとして出演。 国内外オーケストラの演奏に積極的に活動。下地啓二、 石渡悠史、故ダニエル・ディファイエの各氏に師事。国立音楽大学、東海大学教養学部、各非常勤講師

 

竹内沙耶香 Takeuchi Sayaka Alto Saxophone~
茨城県出身。第29回茨城県新人演奏会新人賞受賞。第23回国民文化祭・いばらき2008年協賛事業で茨城交響楽団と協演。2010年茨城県吹奏楽県南大会審査員。2011年いばらき文化振興財団主催によるリサイタルを開催。取手聖徳女子高等学校音楽科兼任講師

 

岩渕みずき Iwabuchi Mizuki Tenor Saxophone~
長野県出身。ヌーベルバーグ2011で東京国際芸術協会管弦楽団とソリストとして共演。ジョナサン・ヘルトン氏によるマス
タークラス受講や、渡独しケルン音楽大学にてダニエル・ゴーティエ氏のもとで研鑽を積む。原 博巳、下地啓二、滝上典彦の各氏に師事。

 

佐藤広理 Sato Hirotoshi Baritone Saxophone~
東京都出身。国立音楽大学卒業。在学中より様々なオーディション、コンクールに入賞。サクソフォンを下地啓二氏に師事。ヤマハPMS講師、吹奏楽団「Haerts winds」団員。

 

 

ドイツのロルちゃんによる、岩淵さん(と1236pianoさん)の紹介ビデオ (153)

 



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