升島 唯博 テノール歌手

Tadahiro Masujima

広島県出身。エリザベト音楽大学修了後ドイツへ。

デトモルト音楽大学ミュンスター校声楽教育課程修了、ディプロム取得。リューベック音楽大学舞台演奏学科課程修了、ディプロム取得。さらに同大学院オペラコースを最高得点で修了。

これまでに声楽を小野村和弘教授(バリトン)、ウタ・シュプレッケルゼン教授(ソプラノ)、フ ランツ-ヨーゼフ・アインハウス教授(バリトン)らに、クラシックギターを佐藤紀雄氏に師事する。オランダ、オイレギオ国際声楽コンクール優勝。

ドイツ各地の劇場、教会、コンサートホールで活躍中の升島さんは、オペラから教会音楽、現代音楽まで幅広い作品を歌い、観客の心を魅了するテノールだ。

中でもオペラ歌手としての活躍ぶりは目覚ましい。

2008-09年ブレーメン歌劇場ではシュピール・テノール(テノール・ブッフォ)として、モーツァルト「魔笛」、R.シュトラウス「サロメ」などでソリストを務める。

ハンブルク州立劇場にてヴィクトール・ウルマン「アトランティスの皇帝」ハルレキン役、リューディングハウゼンの音楽祭にてオッフェンバッハ「天国と地獄」マーキュリー役を歌い、同役のソリストとして、ハイデルベルク他の劇場などでも抜擢される。また2010年オイティーン夏期オペラフェスティバルでは「ピノキオ」の主役を歌い、絶賛を浴びる。最も最近の舞台は2011-12年ミュンスター州立劇場における、モンテヴェルディ「ユリッセの帰還」、オッフェンバッハのオペレッタ「盗賊」(=下記映像)。

 

升島さんにインタヴューをお願いすると快く引き受けてくれた。

♪オペラ歌手、升島さんに聞きました!

歌はいつから始めたの?歌の道に入ったきっかけ。
クラシック音楽を始めたのは18歳の時。センター試験を受け、この偏差値ではどこも合格しないということになる。浪人して再度一般大学を受ける気になれず、もともと興味のあった声優の道へ進もうと音楽を始めた。きっかけは父も音大で学び、声楽の先生を知っていたため。

ドイツに来たきっかけ・背景は?
日本の音大の先生がドイツ系で、在学中からドイツ物をやっていたから。母校にドイツの音大の先生が講習会で来られていて、その先生についてドイツへ渡った。歌の場合はドイツとイタリアでガラリと変わり、ドイツではドイツの音楽のレベルが高く、イタリアではイタリアの音楽のレベルが高い。イタリアオペラは有名だけれど、ドイツオペラもある上、リート(歌曲)はドイツ特有のもの。でも当時の一番の理由は、お金がかからなかったこと。2001年当時はドイツの大学、音大は学費が無料で、日本で実家から院に通うよりもお金がかからなかった。

ドイツ各地の劇場、教会、コンサートホールで活躍中の升島さんは、オペラから教会音楽、現代音楽まで幅広い作品を歌い、観客の心を魅了するテノールだ。中でもオペラ歌手としての活躍ぶりは目覚ましい。2008-09年ブレーメン歌劇場ではシュピール・テノール(テノール・ブッフォ)として、モーツァルト「魔笛」、R.シュトラウス「サロメ」などでソリストを務める。




食べないようにしているものは?進んで食べるものは?

冷たすぎるものは声帯によくないとされているので、歌う前などは特に食べないようにしている。アイス、キンキンに冷やした飲み物などがそれ。進んで食べるものは蜂蜜、ビタミン補給のためのフルーツ。

歌以外の演技(踊り、動きusw.)はどのように練習するの?家で?仕事場で?
また指導者はいるの?
オペラの舞台では演出家が指示した演技をするので、練習の場(仕事場)で。オペラの本番では指揮者は必須!

楽器を演奏する音楽家より、歌手は言葉が切っても切り離せないもの。
やはり、言語はできるだけ話せたほうがいい?言語の勉強はどのようにする?
歌うときと、話すときの発音は違うのか?(違うなら、どのように変えるの?)
ぶっちゃけ言うと、声さえよければ言葉は話せなくてもよい。パバロッティがドイツ語をまったく話せなかったとしても、オペラの舞台には立てると思う。でも話せたほうがもちろんよい。

 

基本的にオペラの練習は全部ドイツ語で指導されるので、お互いの意思疎通のためにもできたほうがいいし、同じくらい歌える人が2人 いて、それならドイツ語が話せる方が取られやすいっていうのはある。
歌うときと話すときの発音は違う。Rの発音が、喋るときは口蓋垂(のどちんこ)で発せられ、歌うときは舌の先で巻き舌になる。

体力作りはしているの?

これは個人個人で違うけれども、俺は運動が好きなので、筋トレしたりサッカーしたり。筋トレは主に腹筋、背筋とウエイトトレーニング。

尊敬する歌手は?

フリッツ・ヴンダリッヒ!

最も好きな作曲家は?
最も好きなと言われると困るけど、まぁブラームスかな。自分が歌うというより、聴く方で。

オペラ歌手は、プライベートでカラオケで歌うこともあるの?
これも人それぞれだけれど、そういえば最近行っていない。行くことに抵抗はないし、この前オーディション会場に発声できる場所がなかったので、カラオケに行って発声するつもりが、ミスチルメドレーを歌って発声代わりにした。

役柄作りのために、何か特別な練習をしたりするの?
練習というか、楽譜を読み込む。楽譜から読み取れる人間関係や感情の出し方などを、練習以外の家にいる時とかに自分の中で考える。それ以外は演出家に言われたことを鏡の前で確認したりするかな?

 

オフの日の過ごし方は?オペラや他のコンサートを見に行くの?
俺はオフの日は趣味のテレビゲームをしたり、クラシックギターを練習したり。あとは料理かな?コンサートやオペラは普通に観に行く。

歌手として常に聴衆に伝えようとしているものは何?
聴衆に伝えようと思うことはその時々で違うけれど、心がけているのがどんなときでも、どんな小さな、大きな役でも、どんなにお客さんが少なくても 100パーセントの力でやること。ドイツではオペラは何回も公演があって、回数を重ねるごとに粗くなっていったり、動きや歌詞などを間違えたりするけど、 常に初演(プレミエ)で歌う気持ちでやってる。また、1000人入るところに客が50人とかだったら、舞台から見ても明らかにガラガラでやる気がなくなる 人がほとんどだけど、そこに観に来てる人たちはどんなに少なくてもお客。だから一期一会で本気でやる。

音楽をしていて、今までで一番幸せに思ったことは?
自分が全力を出し切って満足できる舞台を作れて、カーテンコールで満面の拍手とブラヴォーを聞いた時。

 

升島さん、ありがとうございました!

 

とても気さくで、真摯な方です。

最新の出演情報やブログは升島唯博 オフィシャルホームページで。

 

(2012年7月取材)

13.07.12 AY