Ellinger (峰) 優子 ピアニスト
Ellinger (Mine) Yuko
熊本県出身。桐朋学園大学卒業後、“熊本市人作り基金”の援助を受け、2000年ドイツ国立ロストック音楽演劇大学へ留学。2005年同大学院を最優秀の成績で修了。 さらに 同大学で室内楽を専攻し、最優秀の成績で修了。
これまでにピアノを家城由紀恵、中島和代、故・井上直幸、玉置善巳、竹内啓子、マティアス・キルシュネライトの各氏に師事。シューベルト国際ピアノコンクール(ドイツ)第3位、ヴィオッティ国際コンクール(イタリア)第2位受賞。ソリストとして、ポーランド室内管弦楽団、新ヴェストファーレン管弦楽団、北ドイツ管弦楽団、フォアポンメルン歌劇場交響楽団、九州交響楽団、熊本交響楽団などのオーケストラと共演。また室内楽奏者としても活躍しており、そのレパートリーは幅広い。現在、ドイツ国立ロストック音楽演劇大学講師。
日本とドイツにおいて、ソロ、コンチェルト、室内楽など様々な演奏活動で活躍中のピアニスト。“ピアノに話しかけるように”音を奏でる彼女の姿は、ピアノという楽器を演奏する喜びやアイデアにあふれており、それを聴く人の心も豊かにする。クラシックを正統派に弾くかと思えば、ジャズもこよなく愛す。7月末、北ドイツ・バルト海沿いリゾート地でのリサイタルの後、峯さんにお話を聞くことができた。
まず、ピアノはどのように始めたの?
最初はオルガンから始めました。家に大きな足踏みオルガンがあり、父が趣味で弾いているのを真似していたようです。ピアノのレッスンは5歳くらいから始めました。
ドイツ留学のきっかけは?
その“運命の出会い”の後、キルシュネライト氏のもとで学び最優秀の成績で卒業。現在は演奏活動、後進の指導など幅広い活動をされ、それぞれに求められることは違うが、どのように頭を切り替えるのか。
本番の緊張とはどのように付き合うか。
昔は大変なあがり症でずいぶん悩みました。今でも、昔ほどひどくありませんがやはりあがるときはあがりますね・・・。最近は、不完全な自分をさらけだす勇気をもって、そして聴いて下さるお客様や、友人、両親、すべてのことに感謝の気持ちも持って弾くと、自分があがっていることなど全く重要ではないと思えるようになってきました。
今大学で教鞭をとられているが、レッスンや指導はどの段階まで受けるものだと思うか。
人それぞれなので一概には言えないと思います。自分の演奏を客観的に見つめ、そこから”もっとこうしたほうが良いかも!”とアイデアがどんどん沸くようになれば、もう大丈夫でしょう!
音楽家とはどのような職業?
スポーツ選手に似たところがあると思います。瞬間の芸術に人生をかけて携わる者。どんなに練習しても、つきつめても、本番で上手くいかないことがある。でもだからこそ、人は感動するんじゃないかなぁ。人生をかけて追求できる、そして感動を人と分かち合うことのできる、素晴らしい職業だと思います。
ジャズも弾かれるとのこと。いつごろからどのように始めたの?
本当はジャズピアニストになりたかったのです。某大学のジャズ研に入れてもらって趣味で始めました。20才くらいの頃です。最近はもっぱら聴くばかりですが(笑)。
ドイツのどんなところが好きか。
ピアノ以外の趣味について。サックスも演奏されるのですか?
趣味はジャズを聴くこと。今度生まれかわったら、ジャズを演奏する人間になりたいくらい好きです。ドイツに10年以上住まれて、日本はどのように見えますか?行きたい国は?
日本は大好きなので、年に一回は必ず帰るようにしています。日本の繊細さ、謙虚さ、・・・大好きです。行きたい国は、スペインやポルトガルとかかなぁ。
峯さん、ありがとうございました!
自然体で明るく、可愛らしい性格が魅力的。すっと体に入ってくる、峯さんの“素直で素敵な”音を、いつかどこかで聴いてほしい。